本ページにはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれる場合があります。
シンメトリー構図
- symmetry composition
画面の左右または上下を対称に配置する構図。水面への映り込みや左右対称の建築物などで使われるとされる。
図で見る
画面の中で何が起きるか
軸を挟んで要素が鏡合わせになることで、静けさや秩序だった印象が生まれるとされる。
向く被写体・場面
- 水面に映り込む建物や山
- 左右対称な建築・橋
- 整然とした並木道など
つまずきやすい点
- 軸がわずかにずれるだけで対称が崩れて見える
- 片側だけ余計な要素が入り込み左右のバランスが崩れる
どこまで裏が取れているか
この構図についてよく言われることを、出典に当たって確かめた結果です。出典が見つからなかったものは、見つからなかったと書いています。
- 原典で確認できる 「対称であることが美しさの主な源だ」という通念は、1753年の時点ですでに正面から否定されている。ウィリアム・ホガースは『美の分析』第3章「均一性、規則性、あるいは対称性について」で、この広く行きわたった考えには「ほとんど、あるいはまったく根拠がない(little or no foundation)」と書いた。対称は適切さ・適合性・用途という点ではより重要な性質を持ちうるが、美という点で目を楽しませる働きは小さい、というのが彼の主張である。左右がぴたりと合っていることに目は驚き楽しみもするが、それは常により強い「変化への好み」に道を譲り、すぐに飽きる、とも述べている。 ホガースが示しているのは論証と観察であって、測定データではない。彼の主張が正しいことの実証ではなく、「対称=美という通念が昔から自明ではなかった」ことの記録として読むべきもの。 出典: William Hogarth『The Analysis of Beauty』(London, 1753) — Internet Archive 全文スキャン
- 二次資料でしか確認できていない 現在の写真構図研究でも、シンメトリーは対立させるべき例外ではなく、リーディングラインや三分割法と並ぶ代表的な構図法のひとつとして扱われている。 この論文はシンメトリーを構図法の一覧に挙げているだけで、その効果を実験で測ってはいない。実験の対象はリーディングラインである。査読論文に載っていても、この一文自体は「そう分類している資料が1件ある」以上のものではない。 出典: Chuang, Tseng & Chiang (2024)「Impact of Leading Line Composition on Visual Cognition: An Eye-Tracking Study」Journal of Eye Movement Research 17(5)
- 二次資料でしか確認できていない 日本語の写真教則では、シンメトリー構図は「きっちり揃っていること」と「あえて崩すこと」の両方が同じ資料の中で肯定されている。ニコンの写真講座は「被写体を左右対称に切り取る『シンメトリー構図』はシンプルかつクールな印象の写真になり、建造物を撮る際はその美しさを強調することができます」としたうえで、「きっちり左右対称であることで安定感、バランスがとれる構図ですが、あえて少しずらすことで不安感をあおったり動きをつけたりといった効果を出すこともできます」と続けている。 カメラメーカーの写真講座が1件そう説明している、というところまでしか確認できていない。揃えた場合とずらした場合で見え方がどう変わるかを測った資料は見つけていない。 出典: 斎藤勝則「Lesson12:写真がより良くなるフレーミングと構図」ニコンイメージングジャパン(2024年6月18日 文章改訂)
他の構図の主張とあわせて確かめたい場合は根拠の強さで見るもご覧ください。