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曲線構図
- curve composition
- 別名: C字構図
- 別名: S字構図
- 別名: アルファベット構図
道や川などの曲線的な要素を画面の中に配置し、視線を奥へ誘導する構図。C字型・S字型として紹介されることが多い。
図で見る
画面の中で何が起きるか
曲線に沿って視線が画面奥へ動くため、柔らかさや奥行き感が生まれるとされる。
向く被写体・場面
- 曲がりくねった道や川
- 海岸線などの自然の曲線
- 人物のポーズラインを活かした撮影
つまずきやすい点
- 曲線が画面の端で途切れて視線の誘導が止まってしまう
- カーブが小さすぎて直線とほぼ変わらなく見える
どこまで裏が取れているか
この構図についてよく言われることを、出典に当たって確かめた結果です。出典が見つからなかったものは、見つからなかったと書いています。
- 原典で確認できる S字の曲線を美の原理として名指した最初期の記録は、ウィリアム・ホガース『美の分析』(1753) の「美の線(the Line of Beauty)」である。命名の経緯はホガース自身が同書の序文に書いている。1745年に自作版画集の扉絵として、画家のパレットの上に横たわる蛇行線(serpentine line)を描き、その下に THE LINE OF BEAUTY と記した。「この餌にはすぐ食いついた。エジプトの象形文字もこれほど人を面白がらせたことはない」と、画家や彫刻家が意味を尋ねに来たさまを回想している。 ホガースが示しているのは主張と作例であって、曲線が視線を導くことの測定ではない。 出典: William Hogarth『The Analysis of Beauty』(London, 1753) — Internet Archive 全文スキャン
- 原典で確認できる ホガースの「美の線」は、18世紀末には既に定説として扱われていた。三分割法の初出とされるスミス『Remarks on Rural Scenery』(1797) は、自分の 2 対 1 という比率の提案を締めくくるにあたって、「ホガースの線が曲線における最も美しい——言い換えれば最もピクチャレスクな——中庸だと認められているのと同じように」と、当然の前提のように引き合いに出している。 当時そう受け取られていたという記録であり、正しさの裏づけではない。 出典: John Thomas Smith『Remarks on Rural Scenery』(London, 1797) — Internet Archive 全文スキャン
- 二次資料でしか確認できていない 現在の日本語の写真教則では、曲線は「視線をなめらかに運ぶもの」として説明されている。ニコンの写真講座は「画面の中にSやCなどの曲線、カーブを入れることで奥行きが表現できます。また曲線に合わせながら視線がスムーズに誘導されていくため、画面全体がまとまりやすくなります」とし、ポートレートでは曲線を意識したポージングを取ってもらうとよい、と続けている。 カメラメーカーの写真講座が1件そう説明している、というところまでしか確認できていない。曲線に沿って視線が動くことを測定した資料は見つけていない。上のホガース(1753)は曲線の美しさを論じたもので、視線の動きを論じてはいない点にも注意。 出典: 斎藤勝則「Lesson12:写真がより良くなるフレーミングと構図」ニコンイメージングジャパン(2024年6月18日 文章改訂)
他の構図の主張とあわせて確かめたい場合は根拠の強さで見るもご覧ください。