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三角構図
- triangle composition
- 別名: 三角形構図
被写体や要素を三角形の頂点になるように配置する構図。安定感を出す技法として紹介される。
図で見る
画面の中で何が起きるか
画面の下部が広く上部が狭い三角形の形が生まれ、どっしりとした安定感につながるとされる。
向く被写体・場面
- 山や建物など裾野が広がる被写体
- 複数人のグループ写真
- 脚のある構造物(三脚・テーブルなど)
つまずきやすい点
- 要素が一直線に並んでしまい三角形の安定感が失われる
- 頂点の高さが低すぎて三角形として認識しづらくなる
どこまで裏が取れているか
この構図についてよく言われることを、出典に当たって確かめた結果です。出典が見つからなかったものは、見つからなかったと書いています。
- 原典で確認できる 三角形(ピラミッド形)の輪郭に構図を収めるという考えは、日本の写真教則に固有のものではなく、西洋美術の側に古い記録がある。ホガース『美の分析』(1753) は、ミケランジェロが弟子のマルコ・ダ・シエナに「常に図像をピラミッド状に、蛇のようにうねらせ、1・2・3と倍加させて描くように」と教えたという伝聞をロマッツォ経由で引いたうえで、「絵画・彫刻の構図の大半は、単純さと変化を兼ね備えた輪郭として、円錐またはピラミッドの形の中に収められている」と述べている。さらにラオコーン群像で息子たちが父の半分の大きさに作られているのは、構図をピラミッドの輪郭に収めるためだ、と具体例を挙げている。 確認できるのは「18世紀半ばの英語文献に、ピラミッド形の構図という考えが既にあった」ことまで。三角形に収めると安定して見えることを測定した資料には行き当たっていない。 出典: William Hogarth『The Analysis of Beauty』(London, 1753) — Internet Archive 全文スキャン
- 二次資料でしか確認できていない 「底辺が下にある三角形は安定して見える」という説明は、日本語の写真教則にも同じ形で出てくる。ニコンの写真講座は三角構図を「画面の中に三角形を意識して被写体を配置する構図」とし、「底辺が下にある三角形は重心が下に来るためとても安定感のある画になります。重厚感も表現できるため、建造物を撮影する際によく使われる構図です」と説明している。 カメラメーカーの写真講座が1件そう説明している、というところまでしか確認できていない。「重心が下に来るから安定して見える」という因果の説明に、測定や実験の裏づけは示されていない。 出典: 斎藤勝則「Lesson12:写真がより良くなるフレーミングと構図」ニコンイメージングジャパン(2024年6月18日 文章改訂)
- 二次資料でしか確認できていない 同じ説明は日本の学会の講演論文にも現れる。画像の審美的品質を自動評価するシステムを提案した論文は、基準とする代表的な7つの構図の1つに三角構図(Triangle-like Composition)を挙げ、「どっしりとした安定感を与えるとともに、三角形の頂点に向かう力や運動性を感じさせる効果がある」と説明している。 この論文の主題は構図の自動評価システムであり、7つの構図を説明したこの箇所には文献参照が1つも付いていない(本文の他の箇所では[1]〜[17]の参照記号を使い分けている)。効果を測定した結果ではなく、システムを組むための前提として置かれた説明である。査読誌ではなくシンポジウムの講演論文集に収録されたもの。 出典: 関悠介・萩原将文 (2015)「色彩調和と構図に基づく風景画像の審美的品質評価システム」第31回ファジィシステムシンポジウム講演論文集, pp.661–666
他の構図の主張とあわせて確かめたい場合は根拠の強さで見るもご覧ください。