構図と現像を図で理解する写真の教科書

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露出を右に寄せる(ETTR)

ETTR という言葉を広めたのは2003年の記事で、その根拠は「最も明るい1段に全階調の半分がある」という階調数の配分でした。しかし後年の実測はこの根拠そのものを否定しています。結論(白飛びしない範囲で右に寄せる)は概ね維持されますが、理由は階調数ではなく S/N 比です。

図で見る

元記事が挙げた階調の配分(12bit)折れ線の図。横軸が暗い ← → 明るい(1段刻み)、縦軸が階調数(最も明るい1段=1)で、いずれも0%から100%。縦軸は上に行くほど値が大きい。 12bit・4096段の配分は、暗い ← → 明るい(1段刻み)0%で階調数(最も明るい1段=1)6%、暗い ← → 明るい(1段刻み)25%で階調数(最も明るい1段=1)13%、暗い ← → 明るい(1段刻み)50%で階調数(最も明るい1段=1)25%、暗い ← → 明るい(1段刻み)75%で階調数(最も明るい1段=1)50%、暗い ← → 明るい(1段刻み)100%で階調数(最も明るい1段=1)100%の5点を通る。 数値は出典にある値のみ。2003年の元記事が挙げた12bit時の配分(明るい順に 2048 / 1024 / 512 / 256 / 128 段)を、最も明るい1段を1として正規化したもの。ただしこの配分を「右に寄せる理由」とする論法は、後年の実測によって否定されている(下の事実主張を参照)。図は元記事の論法を示すためのもので、推奨を示すものではない。0%25%50%75%100%0%25%50%75%100%暗い ← → 明るい(1段刻み)階調数(最も明るい1段=1)12bit・4096段の配分
元記事が挙げた階調の配分(12bit)数値は出典にある値のみ。2003年の元記事が挙げた12bit時の配分(明るい順に 2048 / 1024 / 512 / 256 / 128 段)を、最も明るい1段を1として正規化したもの。ただしこの配分を「右に寄せる理由」とする論法は、後年の実測によって否定されている(下の事実主張を参照)。図は元記事の論法を示すためのもので、推奨を示すものではない。
露出を切り詰めた場合と右に寄せた場合ヒストグラムの図。横軸は左端が黒(明るさ0%)、右端が白(明るさ100%)で、各明るさにどれだけ画素があるかを棒の高さで示す。 露出を切り詰めた場合は36本の棒。最も高い棒は明るさ14%の位置で高さ100%。左端(黒)の高さは5%、右端(白)の高さは0%。 白飛びしない範囲で右に寄せるは36本の棒。最も高い棒は明るさ63%の位置で高さ100%。左端(黒)の高さは0%、右端(白)の高さは0%。 模式図であり実測ではない。示しているのは分布の位置関係だけで、S/N 比がどれだけ改善するかは図に描けていない。右に寄せた側も右端には達していない(=飽和していない)ことが条件で、端に触れた時点で情報は失われる。明るさ(36段階)露出を切り詰めた場合白飛びしない範囲で右に寄せる
露出を切り詰めた場合と右に寄せた場合模式図であり実測ではない。示しているのは分布の位置関係だけで、S/N 比がどれだけ改善するかは図に描けていない。右に寄せた側も右端には達していない(=飽和していない)ことが条件で、端に触れた時点で情報は失われる。

この操作が画像に何をするか

同じ場面を、白飛びしない範囲でできるだけ明るく撮ると、センサーが受け取る光子の数が増えます。光子の到来数のゆらぎ(ショットノイズ)は光子数の平方根でしか増えないので、光を多く集めるほど信号対雑音比は良くなります。現像で暗く戻せば、切り詰めて撮った場合より暗部のノイズが少ない画像になります。効いているのは階調数の配分ではなく、この S/N 比です。

効く場面

つまずきやすい点

どこまで裏が取れているか

この項目についてよく言われることを、出典に当たって確かめた結果です。出典が見つからなかったものは、見つからなかったと書いています。

他の項目の主張とあわせて確かめたい場合は根拠の強さで見るもご覧ください。

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