構図と現像を図で理解する写真の教科書

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ホワイトバランスと色温度

「色温度」はもともと黒体(プランク放射体)の温度を指す測色量で、CIE の定義では光源の色度が黒体と一致する場合にしか成立しない。蛍光灯・LED・昼光はいずれも黒体軌跡に乗らないため、実際に使われているのは近似量である相関色温度(CCT)のほうである。ここまでは CIE の規格定義で確認できる。一方、現像ソフトのスライダーが実際に何をしているかは、ソフトごとに公開の度合いが違う。RawTherapee と darktable は公式文書とソースコードで挙動を確定でき、値を上げると画像が暖色に転ぶこと、WB の実体が RGB チャンネルごとの乗算係数であることが読み取れる。ただしそれが「どの現像ソフトでもそうである」という一般則までは裏づけられていないため、このページの実装まわりの記述はいずれも「この2つのソフトでは」という限定つきである。

図で見る

色温度の数直線(RawTherapee が扱う 2000〜25000K)水平な数直線の図(単位: K)。左端が2000、右端が25000で、目盛りは対数(同じ長さが同じ倍率にあたる)で配置してある。 目盛りの数値は2000、3000、4000、6000、10000、25000。 帯として、黒体軌跡で計算する範囲が2000から4000まで、昼光(D)軌跡で計算する範囲が4000から25000まで、各社の「晴天」の幅が5100から5500までを示してある。 目印は標準イルミナントA 約2855.5Kが2855.5、RawTherapee の軌跡切替点が4000、晴天プリセット Minoltaが5100、晴天プリセット Panasonicが5500、D65 の相関色温度 約6500Kが6500の位置。 4000K という切替点は RawTherapee の実装値であって、規格が定めた境界ではない。標準イルミナントAの約2855.5Kは黒体そのものの温度、D65の約6500Kは黒体ではない昼光に対する「相関」色温度で、同じ数直線上に並べてあっても意味は同じではない。「晴天」の幅として示した 5100K〜5500K は RawTherapee のソースコード内のコメントに記録された各社の値の下限と上限で、メーカーの公称値を直接確認したものではない。黒体軌跡で計算する範囲昼光(D)軌跡で計算する範囲各社の「晴天」の幅20003000400060001000025000単位: K(対数目盛り)標準イルミナントA 約2855.5K(2855.5)RawTherapee の軌跡切替点(4000)晴天プリセット Minolta(5100)晴天プリセット Panasonic(5500)D65 の相関色温度 約6500K(6500)
色温度の数直線(RawTherapee が扱う 2000〜25000K)4000K という切替点は RawTherapee の実装値であって、規格が定めた境界ではない。標準イルミナントAの約2855.5Kは黒体そのものの温度、D65の約6500Kは黒体ではない昼光に対する「相関」色温度で、同じ数直線上に並べてあっても意味は同じではない。「晴天」の幅として示した 5100K〜5500K は RawTherapee のソースコード内のコメントに記録された各社の値の下限と上限で、メーカーの公称値を直接確認したものではない。
白色点は色度図上の1点(D65 と D50)CIE 1931 xy色度図の上に色域を描いた図。横軸がx、縦軸がyで、縦軸は上に行くほどyが大きい。三角形の内側が、その3原色で表現できる色の範囲。 sRGB の色域(参照用)(比較用の細い線)の3原色は、赤が(x=0.64, y=0.33)、緑が(x=0.3, y=0.6)、青が(x=0.15, y=0.06)。 単独の点として、D65 (0.3127, 0.3290)が(x=0.313, y=0.329)、D50 (0.3457, 0.3585)が(x=0.346, y=0.359)を示してある。 黒体(プランク)軌跡そのものは描いていない。軌跡上の各色温度に対応する xy 座標を、規格の一次資料から取得できなかったため。分光分布から自分で計算することはできるが、それは出典からの引用ではなく自前の計算になるので行っていない。三角形は位置関係を掴むために sRGB の色域を参照として薄く重ねたもので、この図の主題ではない。00.20.40.60.800.20.40.60.8x(CIE 1931)y(CIE 1931)D65 (0.3127, 0.3290)D50 (0.3457, 0.3585)sRGB の色域(参照用)
白色点は色度図上の1点(D65 と D50)黒体(プランク)軌跡そのものは描いていない。軌跡上の各色温度に対応する xy 座標を、規格の一次資料から取得できなかったため。分光分布から自分で計算することはできるが、それは出典からの引用ではなく自前の計算になるので行っていない。三角形は位置関係を掴むために sRGB の色域を参照として薄く重ねたもので、この図の主題ではない。

この操作が画像に何をするか

RAW 現像のホワイトバランスは、R・G・B の各チャンネルに別々の倍率を掛ける操作である。ケルビン値とティントは、その倍率をユーザーに提示するための言い換えにすぎない。スライダーが宣言しているのは「撮影時の光源はこの色温度・この色被りだった」ということで、ソフトはその光源の色を打ち消す方向に補正する。したがって高いケルビン値を指定すると「青い光源だった」と宣言したことになり、補正結果として画像は暖色に転ぶ。もう一方のティントは緑–マゼンタの軸を動かすもので、蛍光灯のように黒体軌跡から外れた光源では色温度だけでは合わせきれないため必要になる。ここまでは RawTherapee と darktable について、公式ドキュメントとソースコードで確認できる内容である。ただしケルビン値と倍率の対応関係はカメラのカラーマトリクスを経由するため機種ごとに違い、しかも「晴天」のようなプリセットが何ケルビンを指すかもメーカーごとに異なる。つまり同じ「5500K」という表示が、機種をまたぐと同じ色を意味しない。

効く場面

つまずきやすい点

どこまで裏が取れているか

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