構図と現像を図で理解する写真の教科書

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彩度と自然な彩度(バイブランス)

「彩度」という語には少なくとも3つの別々の意味がある。CIE が定義する知覚属性としての saturation、HSL/HSV の S、そして現像ソフトのスライダーである。「自然な彩度(バイブランス)」に至っては統一された定義がなく、同じ darktable の中でさえ、名前が同じで逆方向に働くモジュールが並存していた。Adobe が「低彩度の色を主に上げ、肌色の過飽和を防ぐ」と説明しているのは事実だが、そのアルゴリズムは公開されていない。一方オープンソースの実装はソースコードを読めば何をしているかが行単位で確定する。このページでいちばん確かなのは「実装ごとに動作が違う」という事実のほうで、「自然な彩度とは何か」という定義そのものには、参照できる共通の原典が存在しない。

図で見る

「自然な彩度」の効き方は実装によって逆を向く折れ線の図。横軸が元の彩度(クロマ)、縦軸が彩度を上げる効きの強さで、いずれも0%から100%。縦軸は上に行くほど値が大きい。 darktable 旧vibrance(コード)は、元の彩度(クロマ)0%で彩度を上げる効きの強さ0%、元の彩度(クロマ)25%で彩度を上げる効きの強さ25%、元の彩度(クロマ)50%で彩度を上げる効きの強さ50%、元の彩度(クロマ)75%で彩度を上げる効きの強さ75%、元の彩度(クロマ)100%で彩度を上げる効きの強さ100%の5点を通る。 「低彩度優先」という説明(比較用の細い線)は、元の彩度(クロマ)0%で彩度を上げる効きの強さ100%、元の彩度(クロマ)25%で彩度を上げる効きの強さ75%、元の彩度(クロマ)50%で彩度を上げる効きの強さ50%、元の彩度(クロマ)75%で彩度を上げる効きの強さ25%、元の彩度(クロマ)100%で彩度を上げる効きの強さ0%の5点を通る。 実線は darktable 旧 vibrance モジュールのソースコードから導いた形で、効きの重みが元のクロマに正比例することは式(重み = √(a²+b²)/256、彩度倍率 = 1 + amount×重み)から確定している。もう一方は「彩度の低い色を優先する」という一般的な説明を向きだけ図にした模式図であり、具体的な式が公開されていないものを含むため実測値でも実装の再現でもない。縦軸の絶対量には意味がなく、読み取れるのは傾きの向きが逆だということだけ。0%25%50%75%100%0%25%50%75%100%元の彩度(クロマ)彩度を上げる効きの強さdarktable 旧vibrance(コード)「低彩度優先」という説明
「自然な彩度」の効き方は実装によって逆を向く実線は darktable 旧 vibrance モジュールのソースコードから導いた形で、効きの重みが元のクロマに正比例することは式(重み = √(a²+b²)/256、彩度倍率 = 1 + amount×重み)から確定している。もう一方は「彩度の低い色を優先する」という一般的な説明を向きだけ図にした模式図であり、具体的な式が公開されていないものを含むため実測値でも実装の再現でもない。縦軸の絶対量には意味がなく、読み取れるのは傾きの向きが逆だということだけ。

この操作が画像に何をするか

彩度スライダーは、色の「色みの強さ」を一律に増減する。自然な彩度(バイブランス)は、それを一律ではなく元の彩度に応じて加減すると説明されることが多いが、その加減の仕方には統一された定義がない。darktable の旧 vibrance モジュールは、Lab の a・b からクロマの重みを求め、a・b に (1 + amount×重み) を、明度 L に (1 − 0.25×amount×重み) を掛けるだけの実装で、重みが元のクロマに比例するため彩度の高い画素ほど強くかかる。一方、同じ darktable の現行モジュール color balance rgb の global vibrance は「クロマの低い色を優先し、すでに色鮮やかな画素を誇張しない」と説明されている。RawTherapee の「肌色を保護」はチェックボックスで、既定はオフである。Adobe は効果を説明しているが式は公開していない。つまり「自然な彩度」はアルゴリズムの名前ではなく、各ソフトが独自に定義した機能名である。したがって「自然な彩度を使えば肌が守られる」といった説明は、どのソフトのどの世代の実装を指しているかを言わなければ検証できない。

効く場面

つまずきやすい点

どこまで裏が取れているか

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