構図と現像を図で理解する写真の教科書

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カラーグレーディングとは何か

暗部・中間調・明部にそれぞれ別の色を乗せて画の性格を決める操作を、映像の世界ではカラーグレーディングと呼ぶ。道具立ては大きく2系統ある。ひとつは映画用カラリストが使う Lift / Gamma / Gain で、3つのトーン域を大きく重ね合わせたまま動かす。もうひとつは撮影現場と仕上げのあいだで「色の決定」を受け渡すための ASC CDL で、slope / offset / power という3つの数値だけを持つ。Lightroom / Camera Raw の「カラーグレーディング」パネルは 2020 年に旧「スプリットトーン」を置き換えたもので、シャドウ・中間調・ハイライトの3つのカラーホイールを持つ。なお「カラーコレクション(補正)とカラーグレーディング(演出)は別物」という区別は、メーカー公式文書では徹底されていない。

図で見る

明暗の3つの帯に、別々の色を乗せる明暗のゾーンごとに色を乗せた図。左端が黒、右端が白のグレーの帯に対して、シャドウ・中間調・ハイライトのそれぞれへ色を加えている。比較のため、色を乗せていない素のグレー帯も並べてある。 シャドウ(暗部)には色相220度(空色)を強さ35%で加えている(シャドウに青を乗せる)、中間調には色相120度(緑)を強さ18%で加えている(中間調に緑を乗せる)、ハイライト(明部)には色相35度(橙)を強さ35%で加えている(ハイライトに橙を乗せる)。 ゾーンの境目は段差をつけず、隣り合うゾーンの色が滑らかに混ざるように重ねてある。 色相と強さの値は「3つの帯に別々の色を置ける」という構造を示すために選んだ例示であり、出典のある値でも、特定のソフトの既定値・推奨値でもない。実際の Lightroom / Camera Raw のパネルは、この3つに加えて全体へ一律に色を乗せるグローバルのホイールと、帯どうしの重なり具合を決める Blending スライダーを持つが、その重なり方はこの図には描けていない。帯の境界が図では段になって見えるが、実際の処理は明るさに応じて連続的に混ざる。色を乗せないグレー(比較用)ゾーンごとに色を乗せたグレーシャドウ: 空色220° 強さ35%シャドウに青を乗せる中間調: 緑120° 強さ18%中間調に緑を乗せるハイライト: 橙35° 強さ35%ハイライトに橙を乗せる
明暗の3つの帯に、別々の色を乗せる色相と強さの値は「3つの帯に別々の色を置ける」という構造を示すために選んだ例示であり、出典のある値でも、特定のソフトの既定値・推奨値でもない。実際の Lightroom / Camera Raw のパネルは、この3つに加えて全体へ一律に色を乗せるグローバルのホイールと、帯どうしの重なり具合を決める Blending スライダーを持つが、その重なり方はこの図には描けていない。帯の境界が図では段になって見えるが、実際の処理は明るさに応じて連続的に混ざる。
ASC CDL の slope / offset / power が伝達関数をどう変えるかトーンカーブの図。横軸が入力、縦軸が出力で、いずれも0%から100%。左下が暗いほう、右上が明るいほう。縦軸は上に行くほど明るい。 左下から右上への対角線は「何も変えない」直線で、薄く重ねてある。 slope 1.3(傾きを変える)は、入力0%で出力0%、入力10%で出力13%、入力20%で出力26%、入力30%で出力39%、入力40%で出力52%、入力50%で出力65%、入力60%で出力78%、入力70%で出力91%、入力77%で出力100%、入力90%で出力100%、入力100%で出力100%の11点を通る折れ線。 offset +0.1(上下に動かす)(比較用の細い線)は、入力0%で出力10%、入力10%で出力20%、入力20%で出力30%、入力30%で出力40%、入力40%で出力50%、入力50%で出力60%、入力60%で出力70%、入力70%で出力80%、入力80%で出力90%、入力90%で出力100%、入力100%で出力100%の11点を通る折れ線。 power 1.5(中間の形を変える)(比較用の細い線)は、入力0%で出力0%、入力10%で出力3%、入力20%で出力9%、入力30%で出力16%、入力40%で出力25%、入力50%で出力35%、入力60%で出力46%、入力70%で出力59%、入力80%で出力72%、入力90%で出力85%、入力100%で出力100%の11点を通る折れ線。 3本とも、ASC CDL の式 out = CLAMP(in × slope + offset)^power にパラメータを1つずつ入れて計算した値である(式は Academy の Common LUT Format 仕様に規範として記載されているものを使った)。1.3 / +0.1 / 1.5 という値は形の違いを見せるために選んだもので、推奨値ではない。式は結果を [0,1] にクランプすると規定しているため、slope と offset の線は上端で頭打ちになっている(ただし仕様自身が、クランプしない実装が多数あることを認めている)。SOP に続く saturation の効果は、1次元の入出力対応では描けないためこの図には含まれていない。0%25%50%75%100%0%25%50%75%100%入力出力slope 1.3(傾きを変える)offset +0.1(上下に動かす)power 1.5(中間の形を変える)
ASC CDL の slope / offset / power が伝達関数をどう変えるか3本とも、ASC CDL の式 out = CLAMP(in × slope + offset)^power にパラメータを1つずつ入れて計算した値である(式は Academy の Common LUT Format 仕様に規範として記載されているものを使った)。1.3 / +0.1 / 1.5 という値は形の違いを見せるために選んだもので、推奨値ではない。式は結果を [0,1] にクランプすると規定しているため、slope と offset の線は上端で頭打ちになっている(ただし仕様自身が、クランプしない実装が多数あることを認めている)。SOP に続く saturation の効果は、1次元の入出力対応では描けないためこの図には含まれていない。
Lift / Gamma / Gain は重なり合っている(模式図)折れ線の図。横軸が画素の明るさ(左が黒・右が白)、縦軸がそのコントロールの効きの強さで、いずれも0%から100%。縦軸は上に行くほど値が大きい。 Lift(黒で最大)は、画素の明るさ(左が黒・右が白)0%でそのコントロールの効きの強さ100%、画素の明るさ(左が黒・右が白)25%でそのコントロールの効きの強さ56%、画素の明るさ(左が黒・右が白)50%でそのコントロールの効きの強さ25%、画素の明るさ(左が黒・右が白)75%でそのコントロールの効きの強さ6%、画素の明るさ(左が黒・右が白)100%でそのコントロールの効きの強さ0%の5点を通る。 Gamma(中間調で最大)は、画素の明るさ(左が黒・右が白)0%でそのコントロールの効きの強さ0%、画素の明るさ(左が黒・右が白)25%でそのコントロールの効きの強さ75%、画素の明るさ(左が黒・右が白)50%でそのコントロールの効きの強さ100%、画素の明るさ(左が黒・右が白)75%でそのコントロールの効きの強さ75%、画素の明るさ(左が黒・右が白)100%でそのコントロールの効きの強さ0%の5点を通る。 Gain(白で最大)は、画素の明るさ(左が黒・右が白)0%でそのコントロールの効きの強さ0%、画素の明るさ(左が黒・右が白)25%でそのコントロールの効きの強さ6%、画素の明るさ(左が黒・右が白)50%でそのコントロールの効きの強さ25%、画素の明るさ(左が黒・右が白)75%でそのコントロールの効きの強さ56%、画素の明るさ(左が黒・右が白)100%でそのコントロールの効きの強さ100%の5点を通る。 曲線の形そのものは模式図であり、実測値ではない。DaVinci Resolve の公式マニュアルは、Lift の効きは黒で最大で白に向かって消える/Gain はその逆/Gamma は中間調で最大、と言葉と図で説明するだけで、重み付けの数式を与えていない。この図から読み取ってよいのは三者の重なり方の関係だけで、どの明るさでどれだけ効くかという具体値は読み取れない。また、同じ名前のコントロールを持つ他社ソフトが同じ効き方をする保証もない。0%25%50%75%100%0%25%50%75%100%画素の明るさ(左が黒・右が白)そのコントロールの効きの強さLift(黒で最大)Gamma(中間調で最大)Gain(白で最大)
Lift / Gamma / Gain は重なり合っている(模式図)曲線の形そのものは模式図であり、実測値ではない。DaVinci Resolve の公式マニュアルは、Lift の効きは黒で最大で白に向かって消える/Gain はその逆/Gamma は中間調で最大、と言葉と図で説明するだけで、重み付けの数式を与えていない。この図から読み取ってよいのは三者の重なり方の関係だけで、どの明るさでどれだけ効くかという具体値は読み取れない。また、同じ名前のコントロールを持つ他社ソフトが同じ効き方をする保証もない。

この操作が画像に何をするか

カラーグレーディングは、画素の明るさごとに別の色を割り当てる操作である。全体の色かぶりを取る白色設定とは違い、暗いところと明るいところで別の方向へ色を振れるのが特徴で、これによって「画の性格」が決まる。映画用ソフトの Lift / Gamma / Gain は、黒側・中間・白側にゆるやかに効きが偏った3本のコントロールで、境界がないぶん調整はなめらかにつながるが、ひとつを動かすと他の帯も必ず少し動く。一方 ASC CDL は、RGB それぞれの slope(傾き)・offset(下駄)・power(べき)と全体の saturation、合計10個の数値だけで色の決定を表す規格で、機材や施設が変わっても同じ結果を再現することを優先している。Lightroom / Camera Raw のカラーグレーディングパネルは、シャドウ・中間調・ハイライト・グローバルの4つのホイールと、帯どうしの重なりを決める Blending スライダーで同じことをする。

効く場面

つまずきやすい点

どこまで裏が取れているか

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