構図と現像を図で理解する写真の教科書

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フィルムの色を再現する

「フィルムの色」と呼ばれているものは、フィルムだけで決まっていない。カラーネガの場合、撮影用ネガと現像、そしてプリント(あるいはスキャン)の3段がひと組で設計されている。ネガのベースがオレンジ色に見えるのも、プリント段での色再現を良くするために仕込まれた仕掛けである。白黒では、撮影時のカラーフィルターが階調を作る主要な道具で、フィルターごとの露出倍数はメーカーが数値で公表している。デジタルのフィルムシミュレーションが実フィルムの色と一致することを示したデータは見つからず、メーカー自身もそこまでは主張していない。

図で見る

カラーネガの層はガンマが揃っていない(模式図)トーンカーブの図。横軸が露光量、縦軸がネガの濃度で、いずれも0%から100%。左下が暗いほう、右上が明るいほう。縦軸は上に行くほど明るい。 赤に感じる層(ガンマ最低)は、露光量0%でネガの濃度5%、露光量25%でネガの濃度16%、露光量50%でネガの濃度28%、露光量75%でネガの濃度39%、露光量100%でネガの濃度50%の5点を通る折れ線。 他の2層(赤より高いガンマ)(比較用の細い線)は、露光量0%でネガの濃度5%、露光量25%でネガの濃度21%、露光量50%でネガの濃度36%、露光量75%でネガの濃度52%、露光量100%でネガの濃度67%の5点を通る折れ線。 傾きの具体値は出典にない。ARRI の技術白書は「カラーネガはバランスが取れておらず、3つの層が同じガンマを持たない。ほとんどのネガでは赤い光に感じる層のガンマがもっとも低い。プリントフィルムは、シアン色素を作る層のガンマを高くすることでこの特性を補償している」と述べるだけで、数値は示していない。この図の傾き(0.45 と 0.62)と切片は大小関係だけを見せるための模式値であり、実測値ではない。緑に感じる層と青に感じる層が互いに等しいことも出典にはないため、ここでは「赤より高い」1本にまとめている。プリントフィルム側の補償はこの図には描いていない。0%25%50%75%100%0%25%50%75%100%露光量ネガの濃度赤に感じる層(ガンマ最低)他の2層(赤より高いガンマ)
カラーネガの層はガンマが揃っていない(模式図)傾きの具体値は出典にない。ARRI の技術白書は「カラーネガはバランスが取れておらず、3つの層が同じガンマを持たない。ほとんどのネガでは赤い光に感じる層のガンマがもっとも低い。プリントフィルムは、シアン色素を作る層のガンマを高くすることでこの特性を補償している」と述べるだけで、数値は示していない。この図の傾き(0.45 と 0.62)と切片は大小関係だけを見せるための模式値であり、実測値ではない。緑に感じる層と青に感じる層が互いに等しいことも出典にはないため、ここでは「赤より高い」1本にまとめている。プリントフィルム側の補償はこの図には描いていない。
白黒撮影用フィルターの露出倍数(TRI-X 400・昼光)水平な数直線の図(単位: 倍)。左端が1、右端が16で、目盛りは対数(同じ長さが同じ倍率にあたる)で配置してある。 目盛りの数値は1、2、4、8、16。 目印は黄 No.8が2、深黄 No.15が2.5、黄緑 No.11が4、緑 No.58が6、赤 No.25が8の位置。 数値は Kodak Alaris のテクニカルデータシート F-4017(2016年12月)に載っている KODAK PROFESSIONAL TRI-X 400 の昼光でのフィルター係数そのもので、係数は「通常の露出時間に掛ける倍数」と定義されている。タングステン光では値が変わり、黄8は1.5倍、深黄15は1.5倍、黄緑11は3倍、緑58は6倍、赤25は5倍になる(青 No.47 は昼光6倍に対しタングステンでは12倍と逆転するが、軸が混み合うためこの図には置いていない)。係数はフィルムごとに異なり、Kodak 自身が「他の Kodak 白黒フィルムではフィルター係数が異なる」と注記している。実際、同じ TRI-X でも 320 と 400 では緑 No.58 の昼光係数が 8 と 6 で違う。橙(オレンジ)フィルターの係数は、確認したどの Kodak 資料にも掲載がなかったため、この図には含まれていない。124816単位: (対数目盛り)黄 No.8(2)深黄 No.15(2.5)黄緑 No.11(4)緑 No.58(6)赤 No.25(8)
白黒撮影用フィルターの露出倍数(TRI-X 400・昼光)数値は Kodak Alaris のテクニカルデータシート F-4017(2016年12月)に載っている KODAK PROFESSIONAL TRI-X 400 の昼光でのフィルター係数そのもので、係数は「通常の露出時間に掛ける倍数」と定義されている。タングステン光では値が変わり、黄8は1.5倍、深黄15は1.5倍、黄緑11は3倍、緑58は6倍、赤25は5倍になる(青 No.47 は昼光6倍に対しタングステンでは12倍と逆転するが、軸が混み合うためこの図には置いていない)。係数はフィルムごとに異なり、Kodak 自身が「他の Kodak 白黒フィルムではフィルター係数が異なる」と注記している。実際、同じ TRI-X でも 320 と 400 では緑 No.58 の昼光係数が 8 と 6 で違う。橙(オレンジ)フィルターの係数は、確認したどの Kodak 資料にも掲載がなかったため、この図には含まれていない。

この操作が画像に何をするか

フィルム風の仕上げは、「あるフィルムの色」を1枚のフィルムの性質だと考えると話が合わなくなる。カラーネガは、ネガ・現像・プリント(またはスキャン)が組になって初めて最終的な色になるよう設計されている。現像したネガの何も写っていない部分までオレンジ色をしているのは劣化ではなく、プリントでの色再現を良くするために乳剤へ入れられたカラードカプラーのマスクによるものである。プリントフィルムの側も、ネガの3層のガンマが揃っていないことを見越して、シアン色素を作る層のガンマを高くして帳尻を合わせている。白黒では、階調を作る主要な道具は撮影時のカラーフィルターだった。フィルターは自分の色に近い被写体を明るく、補色にあたる被写体を暗く写し、その代わりに露出を伸ばす必要がある。デジタルでこれらを真似るとき、名前が同じでも色が同じである保証はどこにもない。

効く場面

つまずきやすい点

どこまで裏が取れているか

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